top of page

石塚 株式会社

石塚 株式会社

代表取締役社長

熊⾕ 弘司 様

2006年大学卒業後、ゴムやプラスチックなどの素材を開発・製造するアキレス株式会社に入社。

3年半営業を、半年間財務を担当し、営業時代は商品開発も手掛けた。

その後、2010年に家業である石塚株式会社に入社し、2018年に代表取締役社長に就任。

自身の経験を基にした事業承継アドバイスなども手掛ける。

カイシャの育成論について



————最初に、現在人材育成についてどのようなお取り組みをされているのかを教えてください。



大きく分けると2つあります。

1つ目は業務を行うのに必要な「知識・技術」の教育。

2つ目は経営方針や会社の理念などの「理念教育」です。


「知識・技術」の教育に関しては基本的には社員同士で教え合うようにしており、社員が講師を担い勉強会を実施しています。

「人に教えることが自身の学習定着にも繋がる」という、いわゆる「ラーニングピラミッド」の考え方に則って実施しているものになります。


講師役は基本的に入社後3年目から5年目くらいの社員が行うことが多いです。

講師役を担当した社員からは「勉強会でうまく説明しきれない部分があった」という声が上がることも多く、教わる側だけでなく、教える側も自身に足りないところやわかったつもりでいたところが顕在化するという効果があると感じています。


「理念教育」は従来までは理念や想いを社員に伝える場として、社内ブログや社員との個人面談などを通じて行ってきていました。

現在は私が作成している会社の方針をまとめた「経営計画書」という冊子を作成して渡すようにしています。

しかし、やはり渡すだけではほとんどの人は読まないので、今後は意識的に冊子を読む習慣づくりなど、社内に理念を浸透させていく取組を強化していきたいと考えています。

そのため、「理念教育」は今後も試行錯誤していく必要があると感じています。


2010年に入社して以来、このような社員教育の取組みを毎年内容を更新しながら行ってきました。



会社の理念・文化について



————とても魅力的な取り組みですね。理念についてもお伺いしたいのですが、今後どのように経営計画や熊谷社長の想いを伝えていきたいですか?



元々経営計画書を作成する前から社内ブログなどを通じて私の想いや考えを伝えるということは行ってきていました。

ただ、中には本来の趣旨とは異なる解釈をしてしまい、価値観の相違が生まれてしまうこともありました。


例えば、私の経営方針として、「社長は社員第一主義、社員はお客様第一主義」というものを掲げています。

この言葉も社員によっては「会社は常に私のことを1番に考えてくれるのだから、会社の方針など関係なく、自分がやりたいことを、やりたいようにやってよい」と解釈されてしまい、会社の方針とは真逆の考え方の社員を生み出すようなこともありました。


このようなことが起こらないように、ただ文章で想いを伝えるだけではなく、直接想いや意図を伝える場を今後も設けていく必要があると感じています。



————ありがとうございます。今後新たに取り組もうとしている育成制度や、今後社員の方へどのような期待をしているのかについてもお伺いしたいです。



社員の皆さんには「どこの会社に行っても活躍できる人」になって欲しいと思っています。

その上で働き口として当社選んでもらえるように私自身も会社を磨いていきたいです。

会社も社員もお互いに高め合える関係性にできればと思っています。


そのための取り組みとして、社員同士が教えあう勉強会は今後も生かしていきたいと考えています。

ただ、社員を集める際に時間的な拘束が難しい場合もあるため、勉強会の内容を動画で撮影し、eラーニングとして受講状況やテストなどをセットにして活用できるような仕組みを作りたいです。



————熊谷社長が代表に就任される前から人材育成の取り組みが定着していたとお話しされていましたが、今後会社として理念教育をさらにやっていこうと考えている狙いは何でしょうか?



今後も理念の教育に力を入れたい理由としては、会社が進みたい方向に社員のみんなで進むためというのが一番です。


また、理念や方針というものは抽象度が高いものが多くなってしまいがちだと思います。

だからこそ、普段から理念教育を実施することで自社の価値観を理解してもらい、例えば日々の仕事の中で社員が物事に対してどのような判断をすべきか迷った時に、会社の方針と見比べて会社にとって望ましいアクションは何かを見極める際にも活用して欲しいと考えています。



————「社長は社員第一主義、社員はお客様第一主義」という考え方に至った経緯もお伺いしたいです。



当社は私の祖父が創業して、私で3代目となります。

実は私は元々会社を継ぐ気がありませんでした(笑)


理由は二つあって、一つは「人様の生活を背負うという責任を引き受けられるほど、できた人間ではない」という事と、二つ目は「経営者というものに良いイメージをもてなかった」というのがあります。


前者はシンプルに責任の重さに対するというもので、後者については、私が大学生の時によくメディアに出ていた経営者の方のイメージから「経営者はお金を稼げば何をしても良い」という風潮があるように感じたのですが、私はそのような考え方が好きではなく、「自身の利益を優先するために、人に不利益を被らせるような人生を過ごしたくない」と思い、経営者にあまり良いイメージを持てずにいました。


しかし、2代目を務める父と話す機会があり、紆余曲折あって会社を継ぐことになりました。

その後、修行先でお世話になった会社の上司の方のおかげで、「経営的に成功するというのは、誰かの不幸の上で他の人の生活や富、利益が成り立っているわけではない」と感じられるようになり、「自分は他の人に貢献することで会社を成長させて、社員にも還元していきたい」と思いいたれるようになりました。


その頃から「社員第一主義」というのを方針として思い描いていたので、社長に就任する前からそのつもりで仕事をしてきていました。

この方針が明文化したのは私が代表になってからですが、父の仕事ぶりを見ていた時から明文化はしていないものの、同じような考えでやっていたんだろうなと思うので、父も私も同じ価値観だと思いますね。

それもあってか、この「社員第一主義」という方針は一定組織の中にも元々浸透していたのかなと感じます。


そのため、明文化したことによる変化としては社内より社外での変化の方が大きかったように思います。

採用の際にもあらかじめ理念をお伝えするので、入社する前からどのような価値観を持った会社なのかを理解してもらえる機会になったと思いますし、金融機関や信用調査会社へも価値観を伝えやすくなったと思いますね。



————なぜ「社員第一主義」という価値観をお父様も大事にされていたのでしょうか。



直接聞いたことはないのですが、父は幼少期に社員寮で一緒に住んでいたこともあり、社員の方と寝食を共にしてきたので家族同然に過ごしてきた時期があったと聞いているのでその影響もあるのかなと思います。


私自身が衣食住に困らず生活できたのも長く働いてくださる社員の皆さんが利益を生み出してくれているから実現していたので、そこに対して感謝の思いはずっとあります。

私の場合はそれが根底にあるのですが、父も同様かなと思います。



————お話をお伺いしている中で会社の一体感が非常に高いように感じました!そんな中で今まで大変だったエピソードはありますか。



私は2010年の入社以来、2022年途中までフラットな組織を目指して経営を行ってきていました。

全員が経営者目線・意識を持ち、自主的・自律的に考えて動ける組織になれば社員もやりがいを持って働けて、結果として良いパフォーマンスを発揮できると信じておりその状態を目指していました。


そのため、360度評価や会社満足度評価、ピアボーナスなど色々と試してきたのですが、結果的には全てやめて、フラット型の組織ではなくピラミッド型の組織構造に変化させました。


というのも、私を筆頭に当社がまだフラット型組織を導入できるような発達段階ではないという結論に至り決定しました。大きな方針転換でしたので、実行する際には悩みました。


ただ、今の状態をこのまま続けると自主的に考えた結果会社の方針と異なる方に走り出したり、自分を律することなく甘えのある選択をしたり、社員の成長を阻害する方向に組織が進んでしまい、「どこの会社に行っても活躍できる社員」から乖離してしまうと思いました。

そして一旦ピラミッド型の組織構造へと転換し、自主的というのはあくまで会社が目指している方針の中での自主性であり、まずはそこを理解するために各々の役割を完遂しよう。ということを昨年くらいから伝え始めました。


その結果、会社の価値観とのズレが大きかった社員が離脱してしまうこともあり、それはかなりショックが大きかったです。

表現によっては、本来の意図とは異なる解釈の幅を生んでしまうなと反省もありました。



社員の皆様について



————現在は価値観に共感して働かれている方も多いと思うのですが、社内で活躍している社員の共通点をお伺いしたいです。



スタンスとしてすごく素直で「とりあえずやってみる」という考えを持っていることが大きいと思いますね。


新卒で入社して来年で10年目になる社員が居るのですが、最初は電話応対などの業務でも最初の1年くらいは中々上手く対応できなかったのですが、彼自身がとても素直で、言ったことはとりあえずやってみる方でした。

結果的に周囲の社員よりもトライアンドエラーの回数は圧倒的に多かったと思います。


その結果、過去の社員の中で1番早く係長に就任しました。

彼のように素直にとりあえずやってみるというスタンスを持った社員が多く成長しているように感じますね。




————素直さは採用する際にも大切にしているのでしょうか。



そうですね、元々「今できること」などのスキル面は採用時点ではあまり重要視しておらず、「会社の価値観とマッチしているか」などのスタンスの方を重要視して採用してきています。

ただ、先ほどお話しした彼以降は「素直かどうか」を1番重要視して採用するようになったと思いますね。


面接でスムーズに受け答えができるけれど、斜に構えているようなスタンスの人よりは、上手く受け答えができないけれど、素直に頑張って受け答えするような姿勢を持った人の方が、「こういう人と仕事したいな」と思える人が多い気がします。



————今お伺いしたお話も社員の成長を実感できて嬉しかったことだと思うのですが、熊谷社長にとって社員の期待以上の活躍だったことや嬉しかったことを教えていただきたいです。



常務の時に、2015年から6年ほど社員全員と個人面談を行っていました。

個人面談を始めた経緯としてはその当時の取締役が現場の声が私に伝わる前に社員の意見を握り潰してしまう、ということがありました。


そこで、私が直接社員みんなと話すという機会を設けたのが始まりなのですが、現在経理の課長を務めている女性から1回目の面談の際に「もっと仕事をさせてほしい」と相談を受けました。

当時の上司の価値観として「男性は外で稼ぎ、女性は家を守る」という考えがあったことであまり責任のある業務を任せていなかったのですが、この相談をきっかけに責任のある業務をどんどん彼女に任せるようにしました。


その結果、当時から今もバリバリ頑張ってくれて経理部門の課長をお願いするまでになりました。

「もっと仕事がしたい」と言ってもらえたことが嬉しかったですし、そう思わせてしまっていたということも反省しましたね。



————中々直接話を聞く機会を作るのは難しいですよね。熊谷社長まで情報が上がってこないという問題は現在は改善されたのでしょうか。



年に1回のペースで面談を実施していたのですが、2回目までは社員それぞれが今まで燻っていた不満や改善点がどんどん出てきたので、出てきた問題を全て解消していくことで会社が年々よくなるということが2年ほど続きました。


しかし、3年目くらいから社員のみんなも問題意識として持っていたものがだいたい解消されてきたため、マンネリ化してきました。

その結果、個人的な不満を会社が聞くだけの場面が多くなり、建設的な場にならなくなってしまったので現在は面談の実施をやめています。


最初は代表と社員の距離が近いことは問題ないと思っていたのですが、社員との距離が近くなり過ぎてしまったことで上司を介さずに私に直接相談できてしまうので、管理職が機能しなくなってしまうという問題が新たに出てしまいました。



業務内容やお仕事のやりがいについて



————難しい問題ですよね。社員の皆様が今実際に貴社の中でどのような役割でどのようなお仕事をされているのかもお伺いしたいです。



当社は大きく分けると営業と経営管理部の2つに分けられます。

そして営業は「営業部」と「マーケティング部」の2つから成り立っています。


経営管理部では経理、総務、人事などシステムを含めて全て担当している部署になります。

営業ではお客様の購買プロセスの前半を「マーケティング部」、後半を「営業部」がそれぞれ担当しています。



従来までは全て営業部が担当していたのですが、そうすると目の前のお客様の対応だけに注視してしまい、新規顧客へのアプローチが手薄になってしまうということがありました。

そのため、購買プロセスをそれぞれ前半後半で分担するようにしています。


分担したことで「会社が自分に求めていることがわかりやすくなった」という声もあります。

分担する前は「全体的に頑張ってね」という状態だったのですが、分担後は「Aさんはリードを増やしてね」「Bさんはコンバージョンを向上させてね」と指示が具体的になり役割が明確になったことでやりがいも感じやすくなったのではないかと思いますね。



————社員の皆様の声を色々お伺いできたのですが、熊谷社長から見た事業の魅力についてもお伺いしたいです。



当社の取り扱っている商品が「ビニールカーテン」というニッチな商材になります。

コロナ禍で活用されたコンビニなどのレジ前にある飛沫防止シートのようなシートを工場や倉庫などの作業現場に設置し、作業環境をよりよくすることができる商品となっています。



実際にものづくりの現場で働いている方から「作業がしやすくなった」「ものづくりの品質が上がった」というお声をいただくことが多く、私たちの商品が日本のものづくりの品質向上に役立っていると感じることができますね。


また、先ほどもお話ししたように作業現場だけでなく、コロナ禍で飛沫防止シートとして様々な場所で多くの人のお役に立つことができ、医療分野も含めて商品を使っていただく機会も増えたのでそれもやりがいを感じられた出来事でしたね。



————事業の将来についてもお伺いしたいのですが、今後力を入れていきたいことはございますか。



当社は大きく分けて3つの事業を展開しています。

1つ目は先ほどお話ししたビニールカーテンの「産業資材分野」、これが全体の約60%を占める事業です。

2つ目は手帳のカバーや子供向けの筆箱などのプラスチック製の文房具を作る事業が約20%、

3つ目はプラスチック製のデスクマットを作る事業が約15%となっています。


既存の事業領域では、直近は引き続きこの「産業資材分野」を伸ばしていきたいと考えています。


一方で、今後新しい事業の柱となるようなものを築いていきたいと考えていまして、そこで現在考えているのが「事業承継のアドバイザー」です。

実際に現在お付き合いのある企業さんから色々ご相談をいただくことも多く、これを1つの事業として生み出したいですね。


私自身3代目ということもあり、当社自体が事業承継を2回経験しています。

実は1回目の事業承継の際にトラブルが発生したこともあり、その反省を活かして2回目の事業承継はスムーズに実施できるように父と取り組んできました。


その際に、ファミリー企業の事業承継は事業の面だけではなく、家族間の関係性などの家の問題、会社の株の所有といった3要素のマネジメントができていないと事業承継がスムーズに実施できないと痛感しました。

この経験が少しでも多くの企業のお役に立てればなと思いつつ現在も動いているのですが、ここをもっと力を入れてやっていきたいですね。




業務内容やお仕事のやりがいについて



————ありがとうございます。会社自体を今後スケールしていく、といったことは現在考えられていますか。



はい、目標として「100年・100人・100億」を達成したいと考えています。


現在68周年なので、100年企業になることを第一にしています。

また、現在50人規模の組織を100人にしたいと考えています。

自分で社員の皆さんとそのご家族の生活の安定と向上を図れる方を倍に増やしたいですね。

そして、その皆さんの生活をより豊かにしたいという意味で100億を達成したいです。


現在の売上が25億なので、1番将来的に伸ばしていく必要がある部分なのですが......(笑)

将来的に従業員数を2倍にして売上も倍にしただけでは相対的に社員の生活を豊かにしたとは言えないので、1人あたりにより多くの豊かさを配分できるように100億も目指したいなと思っています。



————最後に、熊谷社長は今後どのような人と一緒に働きたいですか。



やはりスタンスとして「素直」な方ですね。

「とりあえずやってみる」という考え方ですぐに行動に移してもらえる人が理想ですね。


ただ、これは「黙って会社の言うことを聞け」と言う意味ではなく、「まずはやってみよう」の精神を持った方と一緒に働きたいと思います。


そのため、当社に応募いただいた際にはその人のできることやできないことではなく、その人がどのような人間なのか、物事に対して素直に取り組めるのかという面を重要視していますね。

そのような人と一緒に働けると嬉しいなと思います。

BACKグラデ.png

​各種お問い合わせ先※リンクが有効なものに限ります。

石塚 株式会社

03-3866-8201

bottom of page