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株式会社 協栄情報

株式会社 協栄情報

管理本部 総合管理部部長

並木 皓一 様

2021年8月

株式会社協栄情報 入社

2023年1月

管理本部 総合管理部部長 就任

カイシャの育成論について



————最初に、現在人材育成についてどのようなお取り組みをされているのかを教えてください。



まずは、弊社の強みであるAWS※1に経験者の積極採用を行っております。


また実務経験やITに触れたことはないがエンジニアになってみたいという未経験者も積極的に採用していて、その際に実施している研修は2種類あります。


1つ目は、1ヶ月から2ヶ月の間で現場にすでに入っている先輩社員の手伝いをするというものです。

現場のプロジェクトに即した研修を行えるため、実践経験を最短で養うことができます。


その研修の中で、AWSの資格であるSAAを取得し各プロジェクトへのアサインを行います。


2つ目も研修内容は1つ目と同じAWSですが、オンラインでの研修を実施しています。

先輩社員と現場で行う形ではなく、弊社の採用したAWSの講師と学習を行い、SAAの獲得程度の知識吸収を目指します。


研修の最後に自社作成のテストを行い、テストに合格したのちに現場配属になります。

現状行っているのはこの2種類ですが、今後はSalesforceやABAPなどの研修にも取り組んでいく予定です。


※1 アマゾン ウェブ サービス (AWS) とはAmazon Web Services, Inc.により提供されるクラウドコンピューティングサービス。

2006年にサービス提供が開始され、IaaS(仮想化技術を利用してハードウェアリソース(CPU/メモリ/ストレージ)などのデジタルインフラをインターネット経由でオンデマンドで提供するサービス)における世界的シェアが39%で1位。



————やはり会社として、新しい技術を扱えるエンジニアを増やしていこうという意識は強いですか?



それはもちろんあります。

もともとクラウドのほうがモダンの技術となっているというのは市場を見る限り明白で、その中でもシェアの高いAWSの案件の引き上げが今非常に強いです。


もともと弊社ではAWSの部署自体、少し前まで存在していませんでした。

あるエンジニアがクラウドの将来性に目を付けて勉強会を立ち上げたのが部署発足のきっかけです。

そのためまだ5年くらいの若い部署ですが、現在では人数規模では一番多く、案件的にも最も重要な部署と言えるまで成長しました。


こうなった背景にはAWSさんからパートナー認定を結んでいただいていること、その認定を継続し続けていることでAWSさんから直接案件をいただいているということも非常に大きな要因です。


これらの案件は上流工程※2に携わることができる機会が非常に多く、弊社の強みの一つになっています。


エンジニアさんの成長という面でも、下流工程を永遠と行うよりも上流工程に携わってもらう方が効果的なので、会社としても積極的に機会提供を行っています。

効果的な理由は、扱っている事業も金融系が多く大手企業様から案件をいただいており、高い信頼を得ていますので当社でチームを組んで提案を行うことができるからです。


そのように受け入れる皿があり、当社チームに直接アサインすることが可能なので、未経験者やまだ実践経験の少ない方でも参加しやすいというメリットがあります。

また上流工程の方が案件としての単価も高いので、会社の成長にも繋がっていますね。

このような経験ができ、そのリードタイムが短いのもAWSの特徴です。


※2 上流工程とは、システム開発・設計において最初に行う初期の段階のこと。

いくつかの要件に分けることができ、「要件定義」「機能定義」「構成管理」「計画立案」などの工程が主に含まれる。



————AWSの取り組みが始まったのが社内の勉強会というのもすごく興味深いですね。もともと社内でそういった制度などがあるのですか?



そういった制度というものは特にありません。

弊社代表はもともとエンジニア出身で、社内にも中国籍の方が多く在籍しています。

このことで、自分のノウハウや課題解決方法を社内に共有して会社全体でレベルの向上をしていこうという、そもそもの社風があります。


そこで、弊社のとあるエンジニアがクラウドに目を付けたというのが話の発端になります。

そのエンジニアはJAVAのエンジニアでインフラやネットワークなどの知識はほとんどありませんでしたが、JAVAでそのまま成長を目指すよりも、当時主流ではなかったクラウドのほうがエンジニアとして飛躍的に成長し、独自の価値提供をできる可能性を感じました。


はじめは中国のアリババクラウドの認定試験合格のための勉強をするところから始まりました。

実際に自分たちで案件を取ってこれるかやってみようと、最初は7名でのスタートでしたね。


実際にアリババクラウドの認定資格を取り、日本での事業展開を行いましたが、当初は中国のサービスという新しい試みに対して一部のお客様から様々なご質問やご要望が多く出ました。

そのフィードバックを真摯に受け止め、お客様の信頼を勝ち取るためにさらなる努力を重ねました。

その過程でクラウド技術における事業展開の可能性に気付くことが出来ましたね。


そこで目を付けたのがAWSで、0から勉強を始め、3-4ヵ月後に実際に案件を獲得することが出来ました。

案件が徐々に増えたので、採用を行い、教育システムも自分たちで準備して現在に至ります。




会社の理念について



————今お話を聞いていても非常に珍しいケースですよね。社員の方が自発的に挑戦する環境に身を置く意識があったと感じました。こういったことが実現できた貴社の、大切にしている考え方や文化について教えていただいてもよろしいでしょうか?



代表が常々言っていることではありますが、「人なくして会社なし」という言葉が大きいと思います。

代表がもともとエンジニアということもあって、エンジニアの方に寄り添う会社の運営方針になっていますね。


弊社が一番重要視している思想は成長意欲です。

この成長意欲には「希望」「根拠」「アピール」という3つの重要なポイントがあります。


希望は、自分自身がどういう仕事がしたいか、働きたいポジションや待遇のことを指します。

この希望を叶えるためには、スキルや実績があるかどうかといった根拠が必要です。

そして、その実績をアピールできるかどうかです。

アピールが無ければ会社は働きを把握することができません。


先ほどのAWSも、元はと言えばもっと給料が欲しい、エンジニアとしてスキルアップがしたいという社員個人の目標だったかもしれません。

しかし、それが結果的に会社の成長に繋がりました。

挑戦しないうちに否定するのではなく、まずは試してみて失敗したらなぜ失敗したのかを考える。

成功したらその方法を踏襲できる部分はしっかり今後も活用する。


これが弊社の大切にしている部分だと思います。



————実際にそのような考え方を実践し、活躍されている社員様の例はございますか?



そうですね、実務未経験ながら「クラウドエンジニアとして食っていけるようになりたいです、なります!」と中途入社したエンジニアの方の例があります。

営業やディレクターなど異業種からの転職で、クラウドは勿論ITインフラの知識はほぼない状態でしたが、目標の明確化とマイルストーンの設定の仕方、そして学習に対するアプローチ方法は目を見張るものがありました。


目指すエンジニア像という「希望」をブラさずに持ち、文字通り日々学習してアウトプットできる「根拠」としてスキル化し、会社のブログ投稿や資格取得などで「アピール」することをまさに凄い密度で継続してきています。

その結果、入社から2年程ですが彼は会社とお客様から高い評価を受け、基本設計に携わるほどにまでなって活躍しています。


私自身もいい例かもしれません。

当社に中途入社したときには人事経験は1年も満たず、採用に関しては6か月しか担当したことがありませんでしたが、面接の場で代表から「白紙のキャンバスに絵を描け、絵具も自分で用意していい」と言っていただきました。

その言葉通り、入社2日目から採用の仕組みづくりに携わり、結果的に平社員だった私は今部長を任されています。

そのように、自分で待遇や仕事を勝ち取ることができる企業だと思います。


弊社に制度として独立支援制度や公募などがあるわけではありませんが、常に公募を行っていると言っても過言ではないと思います。

常に自分の持っている意見を発信できて、その提案に対して代表が素早くジャッチを下す環境が弊社にはありますね。


急速に拡大した弊社にはまだまだアナログな部分、整備されてない部分がありますが、むしろアメーバのように必要に応じて形を変えていける強みの部分でもあると思っています。




会社の歴史と、社員の皆様について



————こういった文化や制度が形成されるまでの歴史や変遷を、並木様の視点でお話しいただいてもよろしいでしょうか?



まず、大きく変わったのは関西支社の設立ですね。

今、当社は東京本社と関西支社があるのですが、行っている事業内容は大きく異なります。


本社はSES、ソフトウェア開発が柱ですが、関西では動作検証や評価などのテストがメインです。

関西支社ではISTQBという国際的な認定協会のプラチナムパートナーをいただいており、自社基準を作成し、お客様に報告を行っています。

大手メーカーからテストの正確性を評価いただきずっと案件をいただいているという状態です。

もともと当社で行っていたわけではなかったのですが、技術テストを行っていた企業と合流して関西支社の設立に結びつきました。

当社のメイン事業であるSESに、まったく別の事業が柱として加わったのが大きな転換だったと思います。


もう一つは、去年の11月に本社の事務所移転をしたことです。

なぜ移転を行ったのかというと、拡大する一括受注に対応するためです。

受託案件を受けるために開発室を新たに作る必要がありました。

去年の夏に某流通大手企業から2億円規模の受注案件を受けた際に、「今後さらにこういった規模の大きい案件が多くなるだろう。」と判断し、本社移転を行いました。


それに伴って、会社の組織を大きく変更したこともターニングポイントでした。

これまではシステムの部署が第一部から八部まであったものを、人数や会社として重要度が高いものを本部化しました。

AWSなどのクラウド事業や海外向けの海外パッケージを扱うソリューション事業、某タイヤ製造メーカーの生産管理などを行う製造生産事業など客観的に重要な事業を本部化することで、全体の見通しが良くなったと思います。

残りの部分は、第一部から六部までの部署として見える化を行っております。

これは会社としてもどんどん本部化してほしいという意思表示でもありますね。


これらを要因に、去年は会社として大きく成長しました。

一昨年の売り上げ22.4億円に比べて去年は30.1億。

130%以上成長したという結果です。

実は一昨年の年末に5か年計画が打ち出されまして、その計画の目標が、10年後に100億円企業になりましょうというものでした。

言われたときは正直「また大風呂敷を広げたな」と思いましたが、去年の結果を見ると「まだまだこの会社には目標を達成するポテンシャルがあるんだ」と再確認させられましたね。



————貴社の技術力が対外的に高く評価されているということを実感いたしました。その要因は何かございますか?



3つあります。

1つ目は弊社公式ページに載っている技術ブログです。

技術ブログでは、社員が実際に行った独学で学んだ知識、現場で培った課題解決の方法や、ノウハウなどを記載しております。

お客様との商談の中で「おたくのブログを見て、実際に試してみたよ」という声が大変多く、認知されているんだなと実感しますね。

PV数もかなり高く、全世界からアクセスをしていただいています。

余談ですが、アクセス数はやはり日本・東南アジアが多い状況なのですが、なぜか2位はブルネイなんですよね(笑)。


2つ目は、銀行パッケージの導入支援が強みです。

Oracle社のFlexcubeとTemenos社のT24になりますが、この上流から下流まで一括で請け負うことができるのが、日本に2-3社しかありません。

そのうちの1社が弊社になります。

フレックスキューブをクラウド上で動かすことができるのも弊社だけですね。

また、Flexcubeをクラウド基板上で動作させるプロジェクトを日本ではじめて行い実現したのも弊社です。上記を理由にお客様から案件をいただくことも多いですね。


3つ目はやはりAWSです。

アドバンスコンサルティングパートナーを維持するためには、AWSさんからいただく様々な条件をクリアする必要があります。

これまで剥奪されたことが無いだけではなく、そのほかにも様々な資格を有しているということが我々の強みであると思っています。


実際にAWSの資格認定には特に力を入れておりまして、AWSに存在する12個の資格をすべて持っている社員が3名います。

今年は6名までその人数を増やすことが目標ですね。

技術力のアピールにもなりますし、そこに至るまでの教育力の証になると考えています。



————実際に貴社にいらっしゃる社員の皆様の雰囲気や、こんな人がいるよという例があれば教えてください。



やはり、会社が設定している理念の一つである成長意欲のある方が、会社を積極的に活用している印象があります。

私が直接採用した方の話ですが、採用当時プログラミングスクールを出たばかりの19歳、実務経験がありませんでした。

ただ熱意がすごかったんです。

高校卒業後、大学に行くという選択肢を取らずに、エンジニアになりたいからと両親に対してプレゼンテーションを行ってプログラミングスクールに入学したそうなのですが、入社後は彼のスキルを最大限に活用しつつ、新たな領域への挑戦も促しました。


本人の成長意欲と努力が身を結び、4ヵ月後には言語習得やOJTが終了し、1年後にはお客様と直接やり取りをする上流工程に加わりました。

成人式を終えたばかりの20歳が上流工程に加わるということはなかなかレアなケースだと思います。


これが実現できた理由は2つ。

エンジニア自身の成長に対する貪欲さと、成長のために必要な段階や工程を的確に伝えることができた部門長の力が大きいです。


努力の方向を的確に定めることで成長までの近道を歩めたことも大きいですし、エンジニア自身が「こういった方向に成長していきたいが、努力の方向性はこれであっていますか」と聞ける環境になっていたことが重要だと思います。

またそもそも、成長するための土台環境があったということも大きいですね。

ずっとテストばかりをしているとその力しか身につきませんが、弊社では社歴や立場、年齢に関係なく、意欲、知識、姿勢があればどんどん重要な仕事、裁量が与えられます。

その期待に応えたエンジニアと会社の双方の協力で、こういった結果が生まれたのだと思います。


今のお話は一例ですが、こういったメンバーは他にもたくさんいますし、それぞれ活躍してくれています。



未来のビジョンについて



————ありがとうございます。最後に、今後の会社の成長ビジョンをお伺いしてもよろしいでしょうか?



まずやはり目指すのは10年後に100億円企業になっていること。

先ほどもお伝えした新しく部署化した3つの事業を中心に成長していきたいですね。


そのために必要なのはさらなるエンジニアの採用です。

AWSについてはこれまで大手の企業様からたくさん案件を受けているので社員数を増やして、より多くの案件をさばける状態にできれば自ずと数字は伸びてくると思います。


ソリューション事業については、品質、上流下流ともに携われる弊社の強みがあるので今後もさらなる飛躍が期待できます。

開発室も本社移転に際して拡充したので、今後もさらに大手企業様から案件をいただくことが多くなると思いますね。

大手様の案件実績が増えると他の企業様も依頼しやすくなる部分がかなりあると考えています。

さらに、今、自社で開発しているリサイクル企業様向けの在庫管理のソフトウェアがあります。

パッケージ化したのも最近の新しい試みになりますが、かなり皆様の期待に応えられるものになっていると思います。


また今後はSAPの領域にも力を入れていきたいと会社としては考えています。

2027年問題などと言われていますが、そこで旧バージョンの標準保守サポートが終了してしまうことが関係してERP 6.0の旧バージョンから新バージョンであるS4/HANAへ移行する案件がかなり増えてきています。

SAPのエンジニアは市場的にもかなり少ないですが、当社では先ほども述べたように独学で成長してきた社員がとても多いので、今後もSAPにかかわるエンジニアを育成していきたいですね。


以上が今後の事業拡大の展望になります。

また主観にはなりますが、現状人事にも課題感があると考えています。

日本以外の国籍の方も在籍する弊社ですが、金融系の案件を多く受ける中で、我々のスタッフの几帳面さと専門性を評価してくださる企業様はやはり一定数いらっしゃいます。

そういった案件を多く獲得するためには、幅広いバックグラウンドを持つエンジニアの採用が不可欠ですので、採用には一層の力を入れていきたいですね。



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