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株式会社 笑足ねっと

株式会社 笑足ねっと

代表取締役

白川 正志 様

1992年4月-1994年12月

日立精機 株式会社 入社-退社

1995年1月 株式会社 白川製作所 入社

2002年5月 株式会社 白川製作所 代表取締役 就任 (三代目)

2007年4月 株式会社 笑足ねっと 第二創業 代表取締役就任

2017年11月 ロボット教室 柏崎東本町校 開講

2019年5月 柏崎市議会 議員 (2019/5/1-2023/4/30)

2019年7月 NPO法人 あそびそだちiLaboに運動あそび部門を継承

2020年2月 株式会社 白川製作所 切削加工部門 事業譲渡

 

カイシャの育成論について



————最初に、白川様が育成に携わられたご経験の中で、重要だと思うことや育てるということへの価値観を教えてください。



子供との関わりが深いので子供の育成、というお話にはなりますが、育てるではなく、「育つ」だと思っています。

その子の力を引き出すという意味では育てるという要素もあるかも知れませんが大人によって育てられているとは思っていなくて、友達同士であったり、その場の環境であったり、遊びの中であったり、その中で没頭したり夢中になったりする力や価値がその子を育てると思います。

やらされているのではなく、何のためにやるのかを自分で気づき自分事として考えられることが大事だと思っています。



————その中でも、自分自身が置かれている状況が成長機会だなと感じられる子とそうでない子というのは人によって大きく違うと思いますが、どういうことがきっかけで主体性が育まれると思いますか?



学んでいると思わずに、学習を楽しむことだと思います。

勉強しなきゃいけないなど「させられる」ことが多い学習環境の中で、まるで遊びのように楽しいと思えることが、ブレイクスルーのきっかけなのではないかと思っています。

大人も、そのような仕掛けを作ってあげることが重要ですね。



————子供たちの学習環境や成長環境は今後どのように変化していくと思いますか?



現場からは数年離れているのと、ロボット教室を開いておりそこでのお話がメインになるので学校のような一般的な学習環境のことではないのかも知れないですが...。


まずロボット教室のお話をさせていただくと、ヒューマンアカデミーのフランチャイズで一人で切り盛りしていて、月2回、1回90分の授業があります。

授業と言っても、「ここをこうしてね」みたいな全員に向けての指導は行っておらず、各々自分の力で進めていくということを大事にしています。

コースもいくつかあり、年齢も性別も学校も違うメンバーがごちゃ混ぜの状態なのですが、1回目がテキスト通りになるべく忠実にすること、2回目がヒントだけ与えてあとは自由にどうぞ、というような構成で授業をしています。

しかしやはり、自由にどうぞができる子は少ない。

今後AIやロボットと共存・共生していく働き方が求められる中で、より創造性が問われていくと思うのですが、今の標準スタイルである一斉授業で進めていく受け身の勉強の仕方では、そういったクリエイティブな力をつけることは難しいのかなと思いますね。

学校教育を否定するつもりではないのですが(笑)。

なので今のままでは自由にしていいよという場に弱い面がありそうです。



————その中でも、主体性を持って創造的に取り組める子はいますか?また何が創造性を育ませていると思いますか?



いますね。

創造性の育み方は、究極「好き」の一言だと思っています。

もう夢中のオーラが出てますね(笑)。

そういう心理状態にある中で好きな環境に身を置くと、自発的にどんどん新しいことに踏み出せる。

なので大人でも、最初はそこまで仕事の内容もわからずに就社する人が多いと思いますが、巡り合った仕事そのものにやらされているのではなく好きという気持ちと重ね合わせていけると、また別次元の働き方になるような気がしますね。


▲ロボット教室の様子(2018年1月頃​)


会社の理念について



————実際の育成環境に長く身を置かれている中で、白川様が重要視している理念や考え方についてもお伺いしたいです。



これからの世の中は、社会の課題を解決しつつ、新しい価値を生み出していくことが重要になってくると思います。

先ほどお伝えしたことが大部分ではあるのですが、そのようなイノベーションを起こせる人は、やらされている人ではなく、衝動的に湧き出るワクワク・力や、妄想ができる人だと考えています。

例えば何か違和感があってこれを解決しないと気が済まない、みたいな情熱・五感を持っている人の「真にやりたいこと」から、イノベーションは生まれてくると思っています。

しかし一人ではなかなか限界がある。

そこでその夢や情熱に共感し、巻き込まれた人たちがフォロワーとなって、チームとして支え合っていくことが必要です。

そのように多様な人たちが関わり合って新しい価値が生み出されると私は考えているので、一人の芽が出るところと、チームとしてやっていくところが上手く重なり合って物事が進んでいくのかなということを、幼少期に遊びや学びの場で学習できたらいいなと。

そんな考えを大切にしています。

そういった少しプロジェクトベースな学びを、議員としても教育委員会に提案したりはしていますね。



————なるほど。確かにイノベーションを起こせる環境が理想であり、ある種それが人間の在り方だなとお話を聞いていて感じました。



そうですね。

在り方でいうとWell-being(ウェルビーイング)の考え方を大事にしているので、より良く幸せに在るためには、というところからブレないことが理想です。


▲ウェルビーイング​経営について


これまでのご経験について



————とても共感できる部分が多いです。白川様のどういったご経験から、今の考え方を大事にするようになられたのでしょうか?



元々学生時代にロボット工学を専攻しており、「ヒトと協調するロボット」をテーマに研究していたのですが、ロボットの力制御というところから「ヒト」の方に興味が移りました。

その後、誰かと一緒にするとより楽しめる、みたいな仕組みや道具作りの方にさらに興味が移り、それを使うことによって使った人同士はどうなった?というところを探求する中で、最終的にはチームビルディングに行きつきました。

その中で、事実と感情を切り分けて考えなくては次の手が見出せないな、という学びがあったり、リフレクションを通して、自分で考え自分で行動する人たちによって社会は変えていけるのではないかと考えるようになりました。

飛躍してしまっていたらすみません(笑)。



————「人との関わり方」というテーマをすごく考えていらっしゃることが伝わります。原体験の部分、もう少し詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?



そうですね、原体験で言うと私も話しながら思い出したことがあります。

小学生のミニバスケットボールのコーチを20年務めたのですが、途中、母校の高校のバスケットボール部のコーチをしないかとOBの私に声がかかり、携わることになりました。

長時間練習に行けないということもあったのですが、「ああせいこうせい」とは言わず、方針だけ立ててあとは選手の自主性に任せるといったコーチングを行いました。

方針というのが、身長が大きい選手があまりいなかったのでとにかく走る練習をしてもらい、「速攻崩れ」といって24秒の中で攻めればいいところを10秒台で攻める、といったスタイルをとるというもので、選手皆んなにその方向性は共有し、納得感を持って突き進んでくれました。

その際に、バスケットボール専門の体育の先生のもとで、他校のバスケットでセレクションを受けてきているような選手たちより、「やらされていない」自分の選手たちの方が成果を挙げてくれたんですね。

火事場の馬鹿力が働くと言いますか。

練習試合はそんなに強くはないのですが。

その時に「やらされていない」人はこんなに力を発揮するんだというのを実感しましたね。

私は応援しかしてないので(笑)。

あれこれ言わないことにこだわって関わってみたところ、バスケットで有名な先生たちのチームに、応援だけして勝つという快感を味わってしまいました。

やらされていないことで、「ここ変えた方がいいと思うんだけどう?」みたいなことが自ずと選手たちの中で生まれ、その選択もなぜかうまくいくんです。

それ以来やみつきですね(笑)。



————白川様にコーチのお声がかかったのも、本当の意味で優秀な生徒さんが集まったからこそかもしれないですね。



そうですね。

その代のキャプテンと副キャプテンがいたからこそだと思っています。

次の代はうまくいかなかったので、何もしないコーチはいらないってことで私はクビになりました(笑)。

なので素質や巡り合わせなど、私の力だけではないという面も強く感じました。

けれど主体性を育むという意味では今も究極、私の存在が消えているくらいが一番いいと思っていますね。



現在のお仕事と未来のビジョンについて



————成長段階の子との関わり方という点においてすごく参考になりました。これだけ人の潜在能力や思考・創造性を引き出されている白川様ですが、今の中核になるようなお仕事や、未来に実現したいことについてもお伺いさせていただきたいです。



今は専ら『つなが道®(つながロード)』に力を入れています。

つなが道®は、迷路状になっている正三角形のパズルを繋げ、その上にビー玉を転がして遊ぶゲームです。

複数人で協力して、ビー玉を仕掛けられた落とし穴に落とさずあるところからあるところへ移動させるというものになっています。

大人たちは、ルールを伝えずに始めると「やっていいと言われてないからやったら悪い」といった先入観が強く最初は戸惑われることが多いのですが、子供たちは玉を浮き上がらせたりワープさせたり自由にしてくれるので、子供から学ぶことも多いですね。


このつなが道®を、世界にまで広げていきたいという思いがあります。

つなが道®は同じ言語を話さなくとも意思疎通できますし、さらに耳が不自由だったり、車いすの方でも遊べます。

「ダイバーシティ&インクルージョン」といったところですね。


私はこの私が作った現物だけではなく、遊びそのものがもっと広まっていってほしいと考えており、ゆくゆくは物流を介さずに販売もできるかなと思っています。

今は私が3Dプリンターで作っているのですが、データを購入いただければ購入者がお持ちの3Dプリンターでも同じものが作れるようになるので、物自体を購入いただかなくとも遊んでいただけるなと。

このように、データを購入すればどこでも物が形になる、といった手法・世界観まで広めていきたいと考えています。

そういったことの特許を取れるようにも準備中です。


その先は、メタバース上で自分の持つ感覚がフィードバックされる、つまり自分の力が相手に伝わる、みたいなことが実現しそうな近未来なので、その世界でもつなが道®で遊べるとすれば、みんなが一同に介しても、バラバラでも繋がれるなあとかそんな妄想ばかりしていますね。

つなが道®きっかけでやれることはたくさんあるかなと思っています。




————確かに実現できそうですし、新しい幸せの在り方にも繋がっていきそうだなと感じました。どのようなきっかけでつなが道®の着想を得たのでしょうか?



つながるシリーズがいくつかあるのですが、『つなが輪(つながリング)』というものもひとつありましてそれがきっかけです。

女子栄養大学という管理栄養士を育成する学校が埼玉にあるのですが、以前そこの先生とご縁がありました。

その先生から、リング状で少し重たい筋力トレーニングになるような...、鉄アレイをちょっと軽くしてリング状にしたようなイメージですかね...、そんなものが欲しいから作ってくれないかと言われました。

最初にできたのは6.5キロのもので重すぎでしたので、それを中空にして溶接しました。

次にせっかく中空になったし中にパチンコ玉のようなものを入れたら音がして面白いんじゃない?と言ってくれた人がいたので、ガラガラするものができたんですね。

ということで赤ちゃんのガラガラみたいに、透明にして中の玉もカラフルにしたらもっと良いんじゃないかと思ったのですが、それは軽すぎて全く別物になるので眠らせていたんです。

つなが道®の元の着想はそれで、玉を中に入れるのではなく上に置いたらぐるぐる動いてみんなで協力できるものが生まれるのでは?どうせなら迷路にしようか。

でもみんなでやるには1個じゃできないからリングじゃなくて別の形で...、といった発想の中で、つなが道®が完成しました。



————なるほど!本当に温めていらっしゃったのですね。



そうですね、温めていたというか諦めていたに近いですね。

女子栄養大学さんに商品は納めたのですが、この着想からできたものは日の目を見ないだろうなと悶々としていた時期もありました。

ただ今こうやって形になりましたし、これがなければ絶対につなが道®は生まれていなかったということは確かですね。



————非言語的なところで意思疎通が図れる場合というのはそう多くはないと思うのですが、そういう意味でつなが道®の持っている可能性にとても魅力を感じますね。



そうですね。

対話だけだとなかなか実践に繋ぎきれないところでも、つなが道®を介することで、「そういうことね」と思ってもらいやすいと言いますか。

例えば「仲悪いとうまくいかないのね」みたいなことも身体でわかったりするので、そういった力は魅力かなと思います。



————メタバースもそうですが、つなが道®をもっと手に取ってもらいやすい世界になっていくと思いますし、これからが楽しみですね。今後、笑足ねっと様はさらに組織化していくといったことはお考えなのでしょうか?



そうですね...。

議員という役割もあり、この4月が2期目のチャレンジだったりするので、組織化していくにしてもそれ以降でという形にはなると思います。

近々で募集するなどといったことは考えていないですが、つなが道®を世界に広めていくためには一人の力だと限界があることももちろんわかっていますので、それが社員さんなのか外部の方と連携してという形になるのかは未定ですが...、ご縁があれば、組織化ということも考えていきたいですね。



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